大地~巡る生 

 

大地~巡る生とは

 白紙の台本に挑んだ意欲作。観察対象だけでなく出演者そのものから湧き出てきたもので染まっていく台本。多忙な現代社会であえて手間暇をかけて忘れがちな大切なものを見つめた入魂の作品。

 

20161220日 Galleria Luceにて上演

上演時間         約40分

 作・演出        Yumi

振付・出演  板倉佳奈美・高木明子・Yumi

音楽     ミウラ1

     

使用曲;「鳴動」 「月の昼寝」 「酔いどれ巨人」 「静かな岩」 「空まで樹登り」 「遥遠」

作曲・演奏 ミウラ1

 

 大地~巡る生はある意味で初作品の山の物語から生まれた作品ともいえます。

この作品は書き始めてすぐに止まってしまいました。描こうとするものはあるのにうまく言語にできないのです。一体何が引っ掛かっているのでしょう?

 人は言葉を使います。SNSの時代になり格段に便利になり多くの人とつながれるようになりました。対面で時間をかけた時と、EmailSNSの時の言葉と感覚というものに興味を持ちました。そして言葉に対する感覚そのものにも気になりだしたのです。どういう言葉で伝えたらいいのかわからなくなったのです。

  試行錯誤の末に書き上げたのが大地~巡る生です。台本には言葉が書かれていません。白紙の台本です。あるのは演出家への作り方の注文です。この作品はプロセスがとても重要なのです。

 

  イーアイオーの代表作とも言える大地~巡る生。次のステージに進んで2017年に上演が諸事情で無期延期状態ですが、もう一度上演したい作品です。

 

 

 

チラシ


 

 

 創作の記録

5月

演出の検討など。

 

基本の動きのイメージ、 描くテーマの演出家の中での明確化など

8月

リサーチ場所などの検討

映画など「大地」を感じさせるもの

作品に適したキャストの検討

など

  

 

8月

出演者の募集

 スケジュール調整

 

 最近共演した人の中からメンバーを選んでいます。

 


  9月25日 チーム作り

 大地~巡る生は作るのが難しい作品と思います。

 まずスケッチワーク・コミュニケーションワークを用いて土台を作っていきました。

よく話しました。

 925日(日) 

顔合わせとワークの日

 925日(日) 

顔合わせとワークの日


 10月9日 動物園リサーチ

   午前の作業

様々な動物を観察します。扱わない寒冷地や水の生き物は省きます。観察時にメンバー同士お互い話す時間もとります。

    午後の作業

 思ったことを話しあいます。6種類の動物を選定し、時間をかけて観察していきます。

 109日(日) 動物園リサーチの日

 やせ細ったライオン。それでも群れを守ろうとします。

 立ち上がると弱っているのが感じられます。


大きなおしりからはえているしっぽ


  熱心に観察する出演者

 バグ

 毛づくろいのやりすぎてあるのですね。


 なじんでいますね。

 たぬきはキャラクター化されたイメージとはずいぶん違うように見えます。

 エミューは大きな体のわりにとても細い脚です。


  ゴリラは座っているだけでパフォーマンスになってそうです。

 花形ともいえるキリン。地面より展望通路から見る人が多いです。

 1010日 

映画「ラサへの歩き方」鑑賞の日

まずは映画の世界に入って行きました。 


「ラサへの歩き方 祈りの2400㎞」

 創作期間中にタイミングよく上映されたということ、大地を感じさせる映画と思ったことからリサーチの一つに選びました。

現実的・効率化・コストパフォーマンスなどが求められやすい現代社会において、五体投地という方法で巡礼する一行。その横を通り過ぎる大型トラック。スマホのようなものを使いながらも地に足がついているようにも見える一行。

  この映画はまさしく「大地」を感じさせますが私達にとっての「大地」は大地~巡る生の創作過程で私達自身が考えていく課題なのかもしれません。

 1014日 (Fri)

「ラサへの歩き方」を考える日

 「私たちにとっての大地てなに?」という問を出演者みんなで掘り下げていきました。「pure」「しなやかさ」「地に足がついている」などが出てきました。 

 1015日  ゴーダ企画主催の

安藤隆一郎「身体0ベース運用法」ワークショップ参加の日

 ワークは、地面は平坦とは限らずそこで無駄な力を使わずいかに歩くかの試行です。

 山を四つん這いであるくという体験をしました。五体投地とは少し違った大地を感じさせます。



1021日(Fri)

 言葉と動きのワークの日 

 

連想ゲーム

短い文章での連想をします。

    直接連想「コンビニでお弁当を買いました。」→「お弁当を温めました。」

 

    間接連想「コンビニでお弁当を買いました。」→「公園のベンチに座っています。」

 

1028

 言葉と動きのワークの日

ダンサーに言語を使ってもらうためのワークです。

 

アフレコ 

プレスコ

 など

1030日(Sun) 高原リサーチの日

 「ラサへの歩き方」は大地を感じる土壌作りにもなり、高原リサーチに結びつきます。


 高原を感じる風景

 「見渡すかぎりの広い高原」

 地面は本来平らではないのですよね。穴にうっかりはまってしまう動物もいたかも??


 寝そべってみましたが石が多くて痛かったです。

 五体投地の目線に少し近い感じかも。

 動物が見上げてみるとこんな感じ?

 


 地面のきのこ。食べてしまった動物もいたのでしょうか?

 

 

 食べるということも考えてみます。えさを探す動物を思い描いてみます。


  白い木がありました。

自分が何を見たのかなどを仲間とシェアすることで言語化していきます。

 114日(Fri)高原リサーチを考える日

 高原リサーチを共有していきます。

それぞれ自分なりにイメージを作っていきます。それを共有していきます。お互い伝えること受け取ることを目指します。

   作業には常に積み重ねてきたことの振り返りも重要です。

 1110日(Thu) セリフを作る日

 クリエーションの開始です。

 持ち帰って考えてきたことをシェアします。シェアをした後セリフをつくっていきます。 

伝わる?言いやすい?長さは?

みんなで検討していきました。


  11月11日

高原リサーチを考える日

 

 1118日(Fri) セリフを作る日 

スマホで他の事をしているわけではありません。タヌキとゴリラのテキスト作成しているところです。読んでみてみんなで検討していきました。持ち帰って各自声を出して読んでみてみました。

 1120日(sun) 振付の日

 上演まで1か月。いよいよ振付をしていきます。

 第二章「大地の記憶」の振付

まず思い浮かぶ動きをやってみました。踊るというより体で表す感じです。


 11月25日(Sun) 振付の日

第二章「大地の記憶」の振付

20日に考えたものを土台にムーブメントを考えてダンスにしていきました。

作業には常に積み重ねてきたことの振り返りも重要です。

 12月3日(sat) 振付の日

第二章「大地の記憶」の全体のダンスの形がほぼ出来上がりました。

124日 演出の日

第一章「大地の誕生」振付と第一章・第二章の演出を試していく日です。位置など考えていきます。


 125日 ダンスの日

第二章「大地の記憶」の振付が出来上がりました。ダンスパートの練習です。カウントをとって動きをチェックしていきました。

 1214日 

第三章「向こうの世界」のパート練習 

 1215日(Thu) 調整する日

 音楽が入り演出を決めていきました。


1219日(Mon)

 初の通し稽古

最初から終わりまで続けてやりました。

12月20日

上演日


 

 

上演写真

第一章 大地の誕生


 

 

第二章 大地の記憶




 

 

 

第三章 向こうの世界




  

上演パンフレット


 

 

 

 ゴーダ企画TRIAL09参加作品

                  「大地 ~巡る生」

 

 

 

 

企画・作・演出  Yumi

振付・出演     板倉佳奈美・高木明・Yumi

音楽          ミウラ1

 

 

 

 

上演日 20161220日(火) ゴーダ企画TRIAL09にて

 

場所  Galleria Luce 京都市左京区一乗寺払殿町12-3エビスビル地下1

 

 

 

 

 

 

白紙の台本に挑んだ意欲作。

観察対象だけでなく出演者そのものから湧き出てきたもので染まっていく台本

多忙な現代社会であえて手間暇をかけて忘れがちな大切なものを見つめた入魂の作品。

 

 

 

 ご挨拶

 

私はこの作品の作家兼演出家ですが、台本も振付もほとんど作っていません。何を作ったのかというと、「大地~巡る生」の作り方です。

 

「ラサへの歩き方」というチベットで巡礼する映画があります。自動車移動が普通の現代で、地面を這うように進む「五体投地」で巡礼するのです。「五体投地」では地面を這うアリが見えてきたりもするのです。

私たちは日常「五体投地」のように手間暇をかけることは容易でないでしょう。ですが多忙な中あえて私たちは「五体投地」のように手間暇をかける道を選びました。ネットでなく直接出向く・会ってみんなで話をする・一緒の体験をするなどです。

 

日々追われる現代、私達はつい何かを忘れることがあります。人と疎遠になってしまうこともあります。ですがあえて手間暇かけた私たちは濃厚な時間を過ごしてきました。共に過ごした3か月間は私たちの大切なあゆみの1ページです。

 

 様々な作品がネットで観られるようになってきた時代に、多忙な中で時間と交通費を使いこうして観にきてくださった皆様。スマホなどを通してではなく直接ご自身の目で観て感じていただけたらと思います。どこか心に残り何か大切なものに目を向けるきっかけになることがあればうれしく思います。

  

                                               Yumi

 

 

プロフィール

 

 Yumi

演劇・ダンスなどのジャンルにこだわらす探求中

20165月「山の物語~ソロバージョン」作・演出・出演

2016年8月Monochrome Circus 京都公演 『アンサンブルプレイ』出演

2016年9月『演出放棄計画』企画

 

板倉佳奈美

20168Monochrome Circus京都公演 『アンサンブルプレイ』出演

201610Monochrome CircusDance in Building』出演

 

高木明子

20168Monochrome Circus京都公演 『アンサンブルプレイ』出演

アレクサンダーテクニーク教師。京都市市内や梅田にて レッスンしています。

 

 

 

ミウラ1
ブラジル・インド・中東・アイルランドなど各地のパーカッション、バンブーサックスや小型弦楽器、アイディア楽器などを交え、独自のスタイルで演奏するマルチプレイヤー/作曲家。京都を中心とした日本各地のほか、イタリア・フランス・オランダ・マレーシア・韓国・アイルランドなど海外での活動もしばしば。ダンスとのコラボレーションも多い。

 

 

大地~巡る生 使用曲

 作曲・演奏 ミウラ1号 「鳴動」 「月の昼寝」 「酔いどれ巨人」 「静かな岩」 「空まで樹登り」 「遥遠」

 

 


 

 

大地~巡る生のあゆみ

5月「大地~巡る生」のはじまり 

8月 出演者募集

925日 顔合わせと基本のワークの日

109日 動物のリサーチの日

1010日 映画「ラサへの歩き方」鑑賞

1014日 「ラサへの歩き方」を考える日

1015日 ゴーダ企画主催 安藤隆一郎「身体0ベース運用法」ワークショップ参加

1021日 言葉と動きのワークの日

1028  言葉と動きのワーク動物園リサーチでの言葉の整理の日

1030日 高原リサーチの日

114日 高原リサーチを考える日

1110日 テキストを作る日

1111日 高原リサーチ共有

11月18日 テキストを作る日

1120日 テキスト・スケッチなどに基づく振付

1125日 振付の日

123日 振付の日

124日 演出の日

125日 振付の出来上がり

1215日 調整の日

1219日 通し稽古

1220日 上演日

1月 全体での振り返りミーティンング

新たな旅立ち

 

 

 


大地~巡る生

演劇ボード紹介ページ(後半部分)

http://engeki.jp/2017/03/26/ 

 

観劇三昧配信ページ

https://kan-geki.com/streaming/play/654

観劇三昧に登録が必要です。

 

 

 

演劇ボード

 https://engeki.jp/2017/03/26/%E5%A4%9A%E5%BF%99%E3%81%AA%E6%97%A5%E3%80%85%E3%81%A7%E3%81%A4%E3%81%84%E5%BF%98%E3%82%8C%E3%81%8C%E3%81%A1%E3%81%AA%E5%A4%A7%E5%88%87%E3%81%AA%E3%82%82%E3%81%AE%E3%80%82%E7%94%9F%E3%81%8D%E3%82%8B/

 

 

 

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